【更年期障害】
更年期とは女性の閉経前後の数年間、すなわち40歳代後半から50歳代にかけての時期です。この時期には、ホルモンバランスが不安定になりやすく、これといった原因もないのに冷えやのぼせ、動悸、肩こり、腰痛、頭痛、不安感、気分の落ち込み、倦怠感などといったさまざまな症状(不定愁訴症候群)がしばしば起こります。これを
更年期障害と言います。
閉経年齢は平均52歳といわれますが、早い人は45歳ごろに閉経を迎え、遅い人では55歳ごろまで月経があります。したがって更年期障害が起こる年齢には個人差があります。
生殖器や乳房の発育に大きな影響を及ぼすエストロゲン(卵胞ホルモン)という性ホルモンは、20歳ごろから成熟期にかけて卵巣から盛んに分泌されますが、更年期に入ると急速に減少しはじめます。一方、下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)は更年期になると分泌が高まります。このホルモンは卵巣から出るホルモンの分泌をコントロールする働きがあります。エストロゲンの分泌が少なくなると、視床下部にある自律神経中枢の機能が変調し、更年期障害の主症状であるホットフラッシュ(顔やからだが急にほてること)をはじめとする自律神経異常症状が現われるのです。
また、この時期には、子どもの結婚や親の死などにより、家庭環境も変化します。体力の減退、成人病に対する不安、夫婦間のトラブルといったこともストレスとなって、脳の情動中枢に乱れが生じ、いろいろな症状が現われてきます。
情動活動、自律神経、内分泌といった、脳にある多くの中枢は互いに関連し合いながら、からだの内外の環境変化に適応しています。ところが、これらの変化や刺激にからだが十分に適応せず、調整がうまくできなくなると自律神経失調症や情動障害が起こり、不定愁訴という肉体的、精神的な不快感として現われてきます。
更年期障害の症状は、人によってさまざまですが、ほてりや発汗などの血管運動神経障害をはじめ、頭痛などの精神神経障害、手足のしびれなどの知覚系障害、腰痛や肩こりなどの運動器系障害に大別されます。これらは、天候や季節、家庭環境などに大きく左右されますが、閉経後数年たって、内分泌系の変化に適応すると、次第に軽快します。
閉経期にこれらの症状が現われた場合、
更年期障害と即断することは危険です。たとえば、不定愁訴を訴える場合、精神分裂病や神経症、うつ病、とくに仮面うつ病や退行期うつ病の可能性もあり、発汗がひどい、動悸がするといった症状が心臓病の徴候であったり、腰痛が実は骨の病気の症状だったりすることもあるので、検査によってこれらの原因をはっきりさせておくことが必要です。
更年期の不定愁訴は、女性であればだれにでも訪れるもので、その時期を過ぎれば自然におさまるものです。あまり気に病まずに、精神の安定を保つようにすることが大切です。しかし、近年は各種の治療法があり、決してがまんすることしかないものではなくなっています。
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posted by kanpo at 20:59
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